ウイルスと細菌の違い

ウイルスや細菌は、感染症の原因となることで知られています。どちらも目に見えない小さなものであるため、なかにはウイルスと細菌を同じようなものだと認識している方もいるかもしれません。しかし、ウイルスと細菌はまったくの別物です。

ここでは、それぞれ何が違うのか、どういった感染症の原因となるのかをご紹介します。

目次

  1. ウイルスとは?
    1. 1-1.ウイルスの構造
    2. 1-2.代表的なウイルス
    3. 1-3.ウイルスに感染したときの治療方法
  2. 細菌とは?
    1. 2-1.細菌の構造
    2. 2-2.代表的な細菌
    3. 2-3.細菌に感染したときの治療方法

1.ウイルスとは?

ウイルスは、1500倍ほどにまで拡大して見ることのできる光学顕微鏡を使っても確認できないほど小さいことが特徴です。冬に流行しやすいインフルエンザウイルスは約100nmほどの大きさしかありません。これは1万倍にまで拡大するとようやく1mmの大きさになるほどの小ささです。

1-1.ウイルスの構造

遺伝子と、それを包む殻からできています。自分でエネルギーを作り出すことも細胞分裂することもできません。そのため、厳密には生物ではないとされています。

遺伝子と殻しか持ち合わせていないため、ウイルス自身だけでは増殖できません。必ず人間や動物のように細胞をもっているものに入り込み、入り込んだ先の細胞の力を借りて増殖することが特徴です。感染先の細胞を使って自分の遺伝子情報を複製させることで、ウイルスはどんどん増えていきます。

1-2.代表的なウイルス

・インフルエンザウイルス
・ロタウイルス
・コロナウイルス(新型コロナウイルスとは別)
・アデノウイルス
・ヘルペスウイルス

インフルエンザウイルスは冬になると流行しやすいことから、ご存知の方も多いでしょう。ロタウイルスは胃腸炎の原因になるウイルスで、0~6歳の乳幼児が感染しやすいことで知られています。

コロナウイルスやアデノウイルスは、風邪を引き起こすウイルスです。風邪の原因は80~90%はウイルスだと言われています。

ヘルペスウイルスは口唇ヘルペスや性器ヘルペスの原因となるものです。薬を使って症状を抑えることはできますが、完治はできないため再発しないようにうまく付き合っていく必要があります。

1-3.ウイルスに感染したときの治療方法

ウイルスに感染した場合は、抗ウイルス薬が有効です。それぞれのウイルスに対してどの抗ウイルス薬が有効なのかが異なるため、必要に応じて適切な治療薬を選択しなければいけません。

ただし、風邪の場合は、原因となるウイルスの数が200種類以上もあると言われています。どのウイルスが原因で風邪になったかを特定するのは不可能なため、風邪を引いた場合に抗ウイルス薬が使われることはまずありません。

2.細菌とは?

細菌も肉眼で見える大きさではありませんが、ウイルスと比べると随分と大きいことが特徴です。ウイルスの大きさをネズミに例えると、細菌はゾウほどの大きさがあります。

2-1.細菌の構造

細菌は細胞壁や細胞膜、核などさまざまな構造をもっています。自身が1つの細胞であり、細胞分裂を繰り返すことで増殖できることがウイルスとの大きな違いです。自分で栄養を摂取してエネルギーを作り出すこともできます。

2-2.代表的な細菌

・黄色ブドウ球菌
・大腸菌
・サルモネラ菌
・ボツリヌス菌
・破傷風菌

黄色ブドウ球菌は人の傷口によく存在しており、感染すると嘔吐や下痢、腹痛などの症状が出ます。素手で握ったサンドイッチやおにぎりを食べて感染したという話はよく聞くものです。大腸菌も同様に、下痢や腹痛などを引き起こします。

サルモネラ菌は生卵から感染しやすいことで知られており、食中毒の原因として有名です。ボツリヌス菌は酸素がない状態で繁殖しやすいことが特徴で、瓶詰めや真空パックの食品が時として感染源となります。

破傷風菌は土壌に多く存在している菌です。傷口から体内に入り、脳や神経にさまざまな影響を与えます。

2-3.細菌に感染したときの治療方法

細菌に感染した場合は、抗生物質による治療が有効です。抗生物質の種類によって得意とする細菌の種類が違うため、感染した細菌の種類に応じて適切なものを選択します。抗生物質を無闇に使用すると、薬剤耐性菌といって抗生物質が効かない細菌を増やしてしまうため、医師の指示に従って服用することが大切です。

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