新型コロナウイルスにPCR検査が使われるのは何故?他の検査との違い

どこにいても新型コロナウイルスの話題がもちきりになる現在、PCR検査が注目されています。しかしPCR検査以外の方法もあり、「どれを受けたらいいかわからない」と迷われている方も少なくないでしょう。

今回は、PCR検査とほかの検査との違い、そのなかでPCR検査が選ばれる理由について解説します。

目次

  1. 新型コロナウイルスの検査には複数の方法がある
    1. 1-1.PCR検査
    2. 1-2.抗原検査
    3. 1-3.抗体検査
  2. 抗原検査の方が早くて簡単では?
    1. 2-1.感染の有無を確認できるデータが不十分
    2. 2-2.精度が低く、偽陽性・偽陰性の結果が出やすい
  3. それでもPCR検査が採用される理由
    1. 3-1.新型コロナウイルスの感染拡大を防げる
    2. 3-2.身体へのダメージが低くなったPCR検査
    3. 3-3.検査キットから感染の有無を調べることも可能に
  4. まとめ

1.新型コロナウイルスの検査には複数の方法がある

新型コロナウイルスの検査方法には、PCR検査と抗原検査、抗体検査があります。

1-1.PCR検査

PCR検査とは、ウイルスの遺伝子を増やして検出する方法です。鼻や咽頭からの細胞を薬液で検査し、感染しているかどうかを確認します。検査当日だけでなく、感染・発症から数日前までのウイルスの動きもわかります。

新型コロナウイルスへのPCR検査は各都道府県の感染症指定医療機関や地域のPCRセンターなどで受けられ、検査結果は当日か1~2日後です。

PCR検査ではマスクやゴーグル、防護服などが必要となっていましたが、2020年後半からは検査の簡略化の動きが見られています。

1-2.抗原検査

ウイルスが持つタンパク質(抗原)を、ウイルスの抗体によって検査する方法です。鼻の中に綿棒を入れて検査機器を使用し、新型コロナウイルスの感染の有無を調べます。

抗原検査の特徴は、簡単かつ短時間で検査ができる点です。30分程度で検査結果がわかり、従来のPCR検査のように大掛かりな設備や機器が必要になることもありません。

1-3.抗体検査

抗体検査では、過去に該当するウイルスに感染した経験があるかを調べるための検査です。血液検査によって血液中のタンパク質を採取し、抗体があるかどうかを把握します。

抗体ができていると「今後、該当する感染症に罹患するリスクが低くなる」「仮に罹患しても軽症で済む」と捉えられる傾向が強いですが、新型コロナウイルスはまだ私たちにとって未知の感染症であるため、疑問視する声も多いです。

2. 抗原検査の方が早くて簡単では?

PCR検査を受け、新型コロナウイルス感染の有無を知るには、1~2日の間待つ必要があります。加えてPCR検査結果が出るまでは、検査を受ける方は感染者としての扱いを受けなければならないケースも少なくありません。その点を考えると、検査方法が簡単で結果が早く出る抗原検査が理想的に感じられますが、抗原検査には限界があります。

2-1.感染の有無を確認できるデータが不十分

新型コロナウイルスの陽性・陰性を適切に判断するには、可能な限り多くのデータが必要です。PCR検査ではウイルスの遺伝子を増殖させて確認するのに対し、抗原検査では抗体によって抗原を探します。そのため、抗原検査ではデータ量においてはPCR検査には大きく劣ってしまいます。

2-2.精度が低く、偽陽性・偽陰性の結果が出やすい

データの少なさで精度が低くなり、検査結果に誤りが出やすいことも抗原検査のデメリットです。これにより「陰性であるのに陽性の結果が出る」偽陽性や、その逆となる偽陰性の結果が出てしまうことになります。また特に体調不良が見られない方への検査方法としては適さず、抗原検査は新型コロナウイルスの検査として幅広く活用できる方法とは言い切れないという現状にあります。

3. それでもPCR検査が採用される理由

抗原検査は確かに便利ですが、それでも新型コロナウイルスの検査を受けるにはPCR検査が推奨されることが多いです。その理由には、以下のようなメリットや変化も見られます。

3-1. 新型コロナウイルスの感染拡大を防げる

新型コロナウイルスPCR検査を受ける際には、症状がある方にはできるだけすぐに、または濃厚接触者には当日から数日後に検査を行うのが一般的な流れです。これによってより精度が高い形での陽性者を発見でき、さらなる感染拡大を防げるようになります。

3-2. 身体へのダメージが低くなったPCR検査

「従来の方法では新たな感染拡大につながってしまう」「検査時の痛みや違和感が辛い」という声から、PCR検査は2020年6月から唾液を使った検査や、10月からは小鼻からの液体での検査が保険認可されました。これらの動きにより、効率的かつ身体へのダメージを抑えて検査を受けられます。また自費診療にはなるものの、唾液によるPCR検査を無症状の方に実施する医療機関も増えてきています。

3-3. 検査キットから感染の有無を調べることも可能に

また現在では、医療機関やセンターに行かずに、PCR検査を受けられるようになりました。医療機関と提携している業者のサイトにて検査キットを購入し、検体を送ることで感染の有無を調べられます。検査としての精度はそのままに、手軽な形でPCR検査を受けられることで、多くの方から注目されています。

まとめ

このような背景から、新型コロナウイルスの検査方法としては現時点で精度に優れているということもあり、医療機関や専門家からはPCR検査が採用されています。

以上、PCR検査と抗原検査、抗体検査についてお話ししました。PCR検査と抗原検査は目的が同じであるものの、精度としてはPCR検査のほうが優れていると言えます。したがって、抗原検査はあくまでも補助的な方法であり、「新型コロナウイルスの感染の有無を調べるにはまずPCR検査を受ける」と捉えておくと良いでしょう。

人が集まる場所をなるべく避ける、不要不急の外出を控える、免疫力を下げない生活を心がけることに加え、心配に感じたら必要な検査を受け、適切な形で新型コロナウイルスに備えましょう。

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