コロナウイルスって何?

コロナウイルスと聞くと、世界的に流行している新型コロナウイルスを最初に思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、実はコロナウイルスは50種類以上あります。ヒトに感染するコロナウイルスは7種類で、新型コロナウイルスだけでなく、風邪やSARS(重症急性吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)などの原因になるものが含まれます。

今回は、コロナウイルスの概要から新型コロナウイルスの特徴、変異などについてわかりやすくまとめます。

目次

  1. コロナウイルスとは
  2. 有名なコロナウイルス
  3. 「新型」コロナウイルスの特徴
  4. 「強い感染力」と「無症状」で感染拡大する新型コロナウイルス
  5. 変異とは?
  6. まとめ

1.コロナウイルスとは

電子顕微鏡で観察されるコロナウイルスは、直径約100nmの球形で、表面には突起が見られます。形態が王冠“crown”に似ていることからギリシャ語で王冠を意味する“corona”という名前が付けられました。ひとことでコロナウイルスといっても、今まで50種類以上が見つかっています。コロナウイルスには、ヒトに感染するものだけでなく、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、イルカ、スズメなどに感染するものもあります。今まで、コロナウイルスのなかでヒトに感染するものは6種類といわれていました。6種類のうち4種類は、感染しても一般的な風邪と診断されるような症状しか出ません。残りの2種類のコロナウイルスは、風邪の原因となる4種類に比べて症状が重くなり、命に関わる可能性もあります。

しかし、2019年12月頃に中国の武漢で肺炎になる人の原因ウイルスを調べたところ、ヒトに感染する7種類目の新しいコロナウイルスが発見されました。感染力が強く、世界中で感染拡大している「新型」コロナウイルスです。

2. 有名なコロナウイルス

ヒトに感染するコロナウイルスは、新型コロナウイルスも含めると全部で7種類あります。7種類のうち4種類は、一般的な風邪の原因となるウイルスなので、特に問題になることもないですし医療機関で調べることもありません。コロナウイルスのなかで、重症化する可能性があり有名なウイルスはSARSコロナウイルスとMERSコロナウイルス、そして新型コロナウイルスです。

SARSとは、Severe Acute Respiratory Syndromeの略で、重症呼吸器症候群とよばれます。SARSコロナウイルスは、2002年に中国で報告され、8000人以上が感染したといわれています。コウモリがもつウイルスが人に感染して広がったと考えられています。

MERSとは、Middle East Respiratory Syndromeの略で、中東呼吸器症候群とよばれます。2012年に中国で報告され、中東地域を中心に感染が広がりました。ヒトコブラクダが感染源の1つとして挙げられています。

3. 「新型」コロナウイルスの特徴

では、世界的に感染拡大して人々の生活を一変させてしまった「新型」コロナウイルスとはどのようなものなのでしょうか。重症化するSARSコロナウイルスやMERSコロナウイルスと比べても、感染力がかなり強く、重症化することや、命に関わる可能性も高いウイルスだということは明らかです。まだわかっていないことも多いですが、新型コロナウイルスの感染経路、期間、経過などについて現時点で明らかになっている情報をまとめていきます。

まず感染経路ですが、接触感染、飛沫感染、エアロゾル感染によって人から人へうつると考えられています。接触感染では、唾液や気道分泌物が直接、目や鼻、口などに触れることによって感染します。例えば、新型コロナウイルスに感染している人がくしゃみをして、つばがついた手でドアノブを触り、そのドアノブを他の人が触った手で鼻や口を触ると感染します。飛沫感染では、咳やくしゃみなどの飛沫に含まれるウイルスが口や鼻、目に入ることで感染します。非常に小さなしずくのことをエアロゾルや飛沫核といいます。エアロゾルはとても軽いため、換気の悪い室内などで空気中に浮かんで長時間存在する可能性が指摘されており、新型コロナウイルスが含まれるエアロゾルを吸い込むことによって感染する場合があります。

新型コロナウイルスの潜伏期間は14日間で、発症までは平均4、5日とされています。感染可能期間は発症2日前から発症7日から14日間程度で、時間経過と共に徐々に感染力が弱まります。感染者の約80%は軽症で、20%は約1週間で肺炎の症状が悪化し、入院治療が必要になることがあります。高齢者や心血管疾患、糖尿病、慢性肺疾患、高血圧などの持病がある人は、新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすい傾向があるので注意が必要です。自然軽快することもありますが、重症化した場合には入院治療が必要です。治療法に関してですが、効果が期待される薬はいくつかあるものの、現時点で新型コロナウイルスに対する有効な治療薬はありません。

4. 「強い感染力」と「無症状」で感染拡大する新型コロナウイルス

寒い時期に流行するインフルエンザウイルスはよく知られていますが、新型コロナウイルスほど怖くはないと考える人が多いのではないでしょうか。もちろん、インフルエンザウイルスも子どもや高齢者、心臓病や糖尿病などの持病がある人において重症化する可能性があるので注意が必要です。しかし、インフルエンザウイルスにはワクチンがあり、発症したとしても治療法があります。また、インフルエンザウイルスに感染すると、ワクチンを打っていなかった場合には発熱、咳、関節痛など明らかな症状が出ます。医療機関でインフルエンザウイルス感染症と診断された場合には、感染拡大を防ぐために自宅で療養することが求められます。

一方で、新型コロナウイルスに関してはわからないことばかりです。そして、新型コロナウイルスの大きな特徴は、感染しても明らかな症状が出ないことがあるという点です。新型コロナウイルスが高齢者や持病のある人に感染すると重症化する可能性が高いことがわかっていますが、もともと健康で若い人に感染しても症状が出ない場合があります。症状が出ない人は、気付かずにいつも通りの生活をして感染を広げてしまっている可能性があります。新型コロナウイルスが世界的に感染拡大した理由として、感染力の強さだけでなく、無症状の人がいるので感染拡大を止めることが難しいということが挙げられます。

5. 変異とは?

ウイルスがヒトに感染していくなかで、形を少しずつ変えることがあり、それを変異とよびます。

ウイルスが変異すると感染力が強くなる印象をもっている人も多いかもしれませんが、必ずしもそうではなく、感染力が弱くなってヒトにとって驚異的なウイルスではなくなる場合もあります。人間の細胞の中にもDNAや遺伝子とよばれるものがあり、親から子へ引き継がれますが、ウイルスが増える時にもDNAがコピーされて増えていきます。変異とは、DNAがコピーされる時に間違いが起こり、遺伝情報が少し変わることを意味します。ただ、ウイルスが多少変異してもウイルスの性質に関係ないことも多いです。新型コロナウイルスに関しては、イギリスや南アフリカ、ブラジルなどで報告されている変異ウイルスはウイルスの性質に影響するところが変わったため、感染力が強くなっているのではないかと考えられています。

6. まとめ

コロナウイルスには50種類以上の種類があり、ヒトに感染するコロナウイルスは7種類あることがわかっています。ヒトに感染するコロナウイルスのなかで、SARSコロナウイルス、MERSコロナウイルス、新型コロナウイルスは重症化する可能性があります。世界的に感染拡大している新型コロナウイルスに関しては、いまだにわからないことが多いです。新型コロナウイルスは、感染しても症状が出ないことがあるという特徴があります。感染拡大を防ぐためにマスク着用、手洗い、人との距離を保つ、などできる限りの対策を引き続きしていく必要があります。