変異株の種類とその特徴について

目次

  1. 変異株は何が問題なのか
  2. 「N501Y」「E484K」の違いとは
  3. イギリス変異株の特徴とは
  4. 南アフリカ変異株の特徴とは
  5. ブラジル変異株の特徴とは

引用資料:フィリピン変異株の特徴は?イギリス、南アフリカ、ブラジル変異株の特徴や国内での状況は?変異株Q&A

変異株は何が問題なのか

変異株の問題は大きく2つ、「感染力の強さ」「免疫逃避」になります。
つまり、従来のウイルスよりも感染者が増えやすく、ワクチンの効果が出にくいことが懸念されています。

変異株の方が「感染力が強い」ため従来のウイルスの中に変異株が入り込んでしまい、何も対策せずにいれば変異株が主流に置き換わっていくと考えられ、これまで以上に感染者が増えやすくなります。

「免疫逃避」というのは、ヒトの免疫から逃れるためのウイルス変異になります。
この変異が起こることによって、すでに感染したヒトが作ったウイルスに対する抗体や、ワクチン接種によって作られる抗体が効きにくくなると考えられています。
つまり、過去に新型コロナウイルスに感染した人も、免疫逃避の変異を持つ変異株には感染することや、ワクチンの効果が低下することが懸念されています。

「N501Y」「E484K」の違いとは

「N501Y」はウイルスのタンパク質の「501番目のアミノ酸がN(アスパラギン)からY(チロシン)に変わった」ということを示しています。
「E484K」は「484番目のアミノ酸がE(グルタミン酸)からK(リシン)に変わった」ということを示しています。

「N501Y」変異は、イギリス株のほか南アフリカ株、ブラジル株にもあり、従来より感染力が高いとされています。

「E484K」変異は、南アフリカ株、ブラジル株、フィリピン株にもあり、ワクチンの効果を低下させる可能性があると言われています。

イギリス変異株の特徴とは

従来のウイルスよりも感染力が最大40%増加し、また重症化もしやすいことが分かっています。
イギリス変異株(VOC202012/01、B.1.1.7、20I/501Y.V1)は、2020年後半にイギリス南東部で初めて確認されましたが、現在は世界中に拡大しており約111ヶ所で報告されています。

イギリスの公衆衛生会の報告書では、従来のウイルスに感染した人の接触者のうち、9.7%に二次感染が認められたのに対して、イギリス変異株に感染した人の接触のうち12.9%に二次感染が認められたことから、変異株の感染力の増加は25〜40%であると推定されています。
イギリス変異株のウイルスでは「N501Y」というスパイク蛋白(ウイルス表面の突起物)に変異がみられ、これにより感染性が増加すると考えられています。
感染性の増加の原因としては、感染者のウイルス量が増加すること、ウイルス排出期間が長くなることなどが推定されています。

また、重症度についても高くなることが懸念されています。
イギリスで従来のウイルスに感染した人と、イギリス変異株に感染した人とを比較したところ、イギリス変異株に感染した人が64%死亡率が高くなっていたと報告されています。

南アフリカ変異株の特徴とは

従来のウイルスよりも50%感染しやすく、ワクチンの低下もしてしまう可能性があります。
南アフリカ変異株(501Y.V2、B.1.351)は2020年後半に南アフリカで初めて確認されましたが、現在は世界中に拡大しており約58ヶ国で報告されています。

南アフリカ変異株にも、イギリス変異株と同様に「N501Y」という感染力が強くなると考えれられている変異があり、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の解析では、南アフリカ変異株は従来のウイルスよりも50%感染性が高いと報告されています。

また南アフリカ変異株は「免疫逃避」と呼ばれる変異を持っており、過去の感染によってできた免疫やワクチン摂取によってできた免疫から逃れる可能性が指摘されています。

ブラジル変異株の特徴とは

感染力の増加や再感染リスクの増加などが懸念されています。
ブラジル変異株(P1、20J/501Y.V3)は2020年1月に日本で初めて確認されました。
その後、ブラジルでこの変異株が流行していたことが明らかとなり、現在は世界中に拡大しており約32ヶ国で報告されています。

ブラジル変異株も「免疫逃避」と呼ばれる変異を持っており、過去の感染によってできた免疫から逃れる可能性が指摘されています。

ブラジルのマナウスで流行したブラジル変異株は2020年10月の時点で住民の76%が新型コロナウイルスに感染したという推計が発表されていました。この76%という数値はその地域での流行を防ぐ為の理論上の集団免疫を達成していたと考えられましたが、現在そのマナウスで2回目の大規模な流行が起こっており、この多くが再感染例であると考えられていることから、従来のウイルスで作られた免疫が、このブラジル変異株には25〜61%効きにくくなっている可能性が指摘されています。

また、感染力についても1.4〜2.2倍高くなることが推計されているだけでなく、死亡率も1.1〜1.8倍高くなるとの報告もあります。